『チンチンポンポン』 小谷浩代・前野良典

20020421


ジャケ
ジャケ画はアニメ原画家の瀬尾保


『チンチンポンポン』
B面:『ともだちと ともだちの歌』
歌:小谷浩代・前野良典(ひばり児童合唱団)
作詞:A.Baroncini
訳詞:本庄一郎
作曲:A.Gorassini
編曲:小森昭宏
キングレコード
TV(H)-30
1976年
 ラーラララララー
 チンチンポンポン
 チンチンポンポン
 チンチンポン バーチ

 30代前後の人ならなんとなく上記のリフレインが記憶に残っているであろう、こどもの歌のヒット作。「みんなのうた」または「ひらけ! ポンキッキ」の一編と記憶している人も多いが、それは誤り。あくまで独立してリリースされたレコードである。
 内容は、幼い兄妹がおふろに入りながら、お互いの体の構造の違いを不思議がるという愛らしいもの。

 なんで なぜかな わかんない
 ほらね わたしと おにいちゃん
 まるで ちがうの やっぱり
 ママとね パパも ちがうよ

 曲をよく聴いていると、体の違いに興味しんしんなのは主に妹のほうで、兄はもっぱら「めんどくさいナ」とか「熱すぎるョ」などとただお風呂をいやがっているだけなのがほほえましい。

 この曲を歌っているのは、小谷浩代(当時3歳)と前野良典(当時6歳)で、ともにひばり児童合唱団の出身。舌足らずでかわいい歌とは思っていたが、この年齢とは恐れ入る。

 作詞A.Baroncini、作曲A.Gorassiniとあるように、これは本来イタリアの曲であるらしい。おそらく原曲の「cin cin pon pon」というフレーズの面白さのみをとって、このような訳詞にしたのであろう。
 検索によって、この曲の原詞と思われるテキストを2種類発見した。乏しい知識でざっと見るに、原曲はやはり性的なものとは関係がなく、どうも「cin cin pon pon」とはなにかの擬音(おそらくは汽車の「シュッポシュッポ」のような)であるようだ。どなたかイタリア語に堪能の方がいらっしゃれば、ぜひ日本語訳を当学会までご教授願いたいと思う。
 原詞その1
 原詞その2

(ふじー)


(追記)
渡辺 登さまより、メールにて『チンチンポンポン』オリジナル歌詞の和訳をいただきました。以下に引用させていただきます。やはり「チンチンポンポン」は汽車の音の表現であるようです。

チン・チン・ポン・ポン和訳

朝早く通って行く小さな汽車がある
通り過ぎるのをみている子羊
毎朝、でもいったいどこにいくのだろうか
こんなに煙を吐きながら行く小さな汽車
汽車は行ってしまう
チン・チン・ポン・ポン
チン・チン・ポン・ポン
チン・チン・ポン・キス・・・
そして私はここで待っている
チン・チン・ポン・ポン
チン・チン・ポン・ポン
チン・チン・ポン・キス・・・
帰って来る時
チン・チン・ポン・ポン
チン・チン・ポン・ポン
チン・チン・ポン・キス
彼は私に話してくれるだろう
チン・チン・ポン・ポン
チン・チン・ポン・ポン
チン・チン・ポン・キス・・・
だけど多分いつかもし私が彼と共に行くなら
白い子羊を私は残しておかないだろう
そして私の心の中にいつも持っているだろう
通って行く小さな汽車で世界を回りながら

1976年ゼッキーノ・ドーロ 子供達のコンテスト LPレコードより



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