![]() どっかで観たような水槽のレイアウト ![]() どっかで観たようなリュウグウノツカイ ![]() 小さいながらも見栄えのする回遊槽 |
ここは池袋か? デジャブ水族館inヨイドソウル市街を横断して流れる大河・漢江(ハンガン)、その南側の中州が汝矣島(ヨイド)と呼ばれる地域である。オフィス街にイベント会場、公園などが集まったウォーターフロントだ。 その一角に、日本のサンシャイン60によく似た……というより、サンシャイン60以外なにものにも見えない高層ビルが建っている。その名は63(ユクサン)ビルディング。 日本に60階建てのビルがある? じゃこっちにも建てろ! 向こうが60だったらこっちは地階も勘定に入れて63じゃい!……とまあ、おそらくはそのような経緯で建てられたのだろう。ちなみにこっちはビル全体が金色にコーティングされていて、よりいっそうのゴージャス感をかもし出していることも付け加えておこう。 で、サンシャインに瓜二つのビルだけあって、中にはやっぱり水族館もあるんである。料金は水族館だけだと9000ウォン、IMAXシアターと展望フロアの3点セット入場券なら18000ウォン。1階でチケットを買い、入場する。 足を踏み入れると、まずペンギンやスナメリ、そして熱帯魚たちがお出迎え。しかしこの筒状の熱帯魚槽が整然と並ぶ構成は、どこかで見たような気がしてならない。ええと、これは、そう……昔のサンシャイン水族館だよ! そう気づいてふと見渡すと、サンシャインにもあるリュウグウノツカイの標本が……。 いったい、いまおれはどこにいるのだ。池袋か。ブクロなのか。玄界灘を渡って韓国に来た気がしていたが、あれは夢だったのか。ソウル地下鉄に乗るところを間違えて西武池袋線に乗っちゃったのか。 強烈な既視感に頭がくらくらしてきたワタシであったが、そっくりなのは最初の方だけで、先に進むとしっかり独自性のある展示が登場してほっとひと安心。フロア中ほどにはやたら元気でかわいいカワウソのファミリーがいて客をなごませてくれるし、大きくはないけれど全周をぐるりと見渡せる回遊槽もなかなかの見もの。ゴマフアザラシやアシカの水槽にはショータイムもある。 なぜか、めったやたらと充実しているのが爬虫類ブース。イグアナやワニやカメ、珍しいトカゲの数々、そしてアルビノのニシキヘビと、ほとんどこれがメインかと思えるような充実ぶりであった。今回の旅で韓国の水族館を周ってわかったことだが、こっちの人はどうやら「サメ」と「爬虫類」が好きらしい。このふたつはどの施設でも必ずメインを張っている。 最後に韓国の固有魚(ここでも「シュリ」が見られる)を展示して、順路は終了。全体をつらぬくコンセプトが希薄でやや散漫な印象は否めないが、かつてのサンシャイン水族館と同様、休日にぼんやり見てまわるには充分すぎるくらいの内容を持った施設である。もちろん、開館当時のサンシャイン水族館を思い出してノスタルジーにひたりたいという方には自信を持っておすすめできる。 |