![]() 2階層ブチ抜きのサンゴ礁水槽 ![]() ピラニア水槽には人骨が ![]() ショーマンシップたっぷりの餌付けショー |
韓国最強水族館はここだ韓国旅行最後の一日、ワタシは釜山の街をぶらぶらしながらみやげものでも買おうと「地球の歩き方」をながめていた。と、そのとき、ヘウンデという地域のマップに小さく「釜山アクアリウム」と書いてあるのに気づいた。「歩き方」には特にこの施設に関する解説はない。ヘウンデというのはビーチリゾートで有名な地らしいから、たぶん海水浴客をあてこんだ小さい水族館でもあるのだろう。ワタシは急遽、その場所へ行くことにした。 地下鉄を降りて数刻歩くと、目の前に広がる美しい砂浜。予想以上にあかぬけた、ハイソな感じのする場所である。そしてその浜辺に寄り添うようにして建つ、小ぎれいなガラス張りの施設。これがその「釜山アクアリウム」らしい。これまた予想をくつがえす立派な建物だ。 館内に入ると、まず熱帯魚槽やペンギン部屋(ものすごい勢いで群泳してた)などがあり、さらにその先に見えるのは2階層をブチ抜いた円筒形のサンゴ礁水槽。ナポレオンフィッシュなどが泳ぐその水槽の美しさはなかなかのものだ。 階下に進むと、薄暗く演出されたフロアに発光魚やくらげたちの展示が続く。このあたり、かなりセンスのある演出だ。そしてその向こうには、サメなどが泳ぐ巨大な回遊槽。大きい。日本の水族館にもちょっとない大きさだ。 この巨大水槽と先のサンゴ礁水槽は向かい合って設置された形になっている。その中央にしつらえられた椅子にこしかけると、一方では縦方向に広がる熱帯魚たちのダンスに酔いしれ、そしてもう一方では奥行きの深い回遊槽をまったり鑑賞できるという、水族館マニアにとって桃源郷のような空間が現出するわけである。 巨大水槽には両脇にトンネルが設けられており、さらに裏側にまわると映画館のスクリーンのように客席がしつらえてあるという多面的な構成となっている。ここでは客を水槽の前に集め、ダイバーによる餌付けショーを見せてくれたりする。ダイバーにじゃれつくウミガメが実にキュート。 そして、もりだくさんな展示を堪能して館を出れば、眼前に広がるのはきらめくヘウンデの砂浜。一般の水族館より暗く調整された館内照明も、あるいはこの外の風景とのコントラストを計算してのものなのかもしれない。そう深読みしたくなるくらい、完璧な施設であった。 韓国旅行の最後に見つけた、最高の水族館。ワタシは水族館の神様にカムサハムニダととなえながら、ヘウンデを後にしたのだった。韓国を訪れる水族館マニアは、ぜひこの施設へ足を運ぶことをおすすめする。いや、本当の水族館マニアなら、この施設を観にいくためだけに玄界灘を渡れ! |