越前松島水族館

訪問日:19990227

だれか顔を出してあげてください。
隣はすぐ浜辺(でも荒れてる)。
ちょっと淫靡。
水族額縁ショー
営業もたいへん。
強風の中がんばるイルカ&調教師

施設も客も「油断」し放題


 関西の奥座敷・芦原温泉の近くに、今回目指す越前松島水族館はある。JR芦原温泉駅から路線バスで20分あまり。途中の道端にやたらと立っている「ト殺場建設断固阻止」のカンバンを見て、イヤーな気分になりながら到着。
 展示は日本海の魚を中心としながら、家族連れに受けそうな珍魚をちりばめるという、まあ地方の水族館としてはオーソドックスなもの。規模もそこそこで、温泉観光のついでにひょいと寄るにはよいところだ。
 おりしも今、ミズダコの水槽では親ダコが卵を生み、その赤ちゃんが続々と孵化している最中とのこと。見てみれば、確かにいるいるタコの赤ちゃん。よくシラスの中に入ってるようなちっちゃいのが、わらわらと泳いでいる。これはある意味、クリオネより面白い。かたわらでは母とおぼしきミズダコが、水槽の縁についた房状の卵を守っている。これ、海藤花(かいとうげ)っていうんだよね。珍味屋に売ってたので食ったことある。ぷちぷちしてうまいんだ。
 他にもまるっこい体にゴツゴツした表面の深海魚、その名も「コンペイトウ」とか、アオヤガラというめちゃくちゃ細い棒みたいな魚の群れ(他の水族館にもわりといるが、ここほどたくさんは飼ってないと思う)、肺魚プロトプテルス・ドロイなどがいた。肺魚の水槽には「飼育係からのとっておきのウラ情報」というキャプションが貼ってあり、「まず最初に……似てはいますがウナギではありません」という出だしで始まって、「最後に……ウナギではありません」と、やたらにウナギではないことを強調していた。よっぽどウナギと間違えられたのかもしれない。
 屋外にはカワウソ棟(みんな寝てたけどな)やペンギン島、なぜかサル山などがあり、イルカショーも外でやっている。ただ、訪れた日は「嵐」といってもいいくらいの悪天候。こりゃーショーは中止だなと思ったら……やってるよおい! だいじょうぶか。イルカ、ジャンプしながら空中で風に流されてたが。
 全体的に水槽はちょっと汚く、壁面にペンキでヘンな色とか絵とかがつけてあったりするのがアレではあるが、そういうところも含めてアットホームな水族館ではあった。マジメな学術施設になりきれない「油断」のようなものがそこここにあって(さっきの「ウナギではありません」もしかり)、ああ関西圏に帰ってきたのだ(筆者は関西人である)とホッとする。
 ただ、その「油断」は客のほうにもあり、こちらはどうもいただけない。「このサカナ、うごかへん〜」と言っては水槽をバンバン叩き、写真を撮ると言ってはフラッシュをバシバシ焚く。特別展示のリーフィーシードラゴン(タツノオトシゴの一種)にフラッシュの放火があびせられていたのには、正直言ってワタシは怒りすら覚えた。このさかなは光に弱く、フラッシュなんか浴びせたら失明しかねないのである。施設のほうも「フラッシュ焚くな」と掲示するべきなのに。
 まあ、別にワタシは単なる水族館ウォッチャーであって「生き物ばんざい人間」ではないので(本当に生き物が好きな人は水族館や動物園には行かないだろう)、それも水族館の一風景だと思うことにしたのだった。

 実はこの施設にはもうひとつ忘れられない展示があったのだが、本ページよりも適切な掲示場所があるので、そちらの方にデータを移すことにした。興味のある人は以下のリンクをたどっていただきたい。
>日本ちんこまんこ学会 くじらのちんこ&まんこページへ


『水族紀行』インデックスにもどる
『そこはか通信』タイトルページにもどる


copyright(C)1996-2009 FUJII,HIROSHI all rights reserved.