![]() カブトガニ型の施設全景 ![]() 仲むつまじいカブトガニのつがい ![]() 謎のカブトガニアート |
フルコースのカブトガニ道楽中国地方の水族館を周っていると、展示の「カブトガニ率」が極めて高いことに気づく。生きた化石、太古からのメッセンジャー・カブトガニ。その生態は? 種類はたくさんあるのか? 食ったらうまいのか? その謎を解くため、カブトガニを専門に扱う施設を訪れた。岡山県笠岡市にある「カブトガニ博物館」である。 実物大とおぼしき恐竜の像をながめながら(「昔の生き物」つながりということらしい)庭園内を進んでいくと、銀色のドームが見えてくる。なんかミョーな建物だと思ったら、これ上から見るとカブトガニの形になってるんである。 館内は、当然のことながらカブトガニ一色。生きたカブトガニはもちろん、標本を使った体の構造の説明、化石に見るカブトガニ系生物の歴史、卵から成長するまでの生活史と生態……などなど、カブトガニづくしの内容。フルコースである。カブトガニ道楽といっても過言ではない。思わず無言になる。 カブトガニには世界中に四種類が存在すること、脱皮を繰り返しながら13、4年も生きること、カブトガニの血液は毒素に敏感に反応するので試薬として利用されていること……などなど、様々な事実をワタシはここではじめて知った。来た甲斐があったというものだ。 そういえば他の場所でカブトガニを見るとき、たいていオスがメスのうしろにがっちりと合体していて「こいつらしょっちゅう交尾してるのかなあ、げんきだなあ」と思ってたのだが、これは別にいつも交尾しているわけではないらしい。カブトガニのつがいというのは非常に結びつきが強く(特に日本産)、かなりの長期間ペアで行動するのだそうだ。事実カブトガニのオスにはメスにしがみつくために進化した肢があるし、甲羅の前の部分もメスの身体にぴったり合うように凹んでいる。きっと、くっついてると落ち着くのだろう。 恐竜や化石がらみの展示も少しはあるが、ほとんどストイックなまでにカブトガニに焦点をしぼった博物館である。カブトガニャーなら要チェックと言えるだろう。なんだカブトガニャーって。 あ、書きわすれていたが、カブトガニを食ってうまいかどうかは未だ不明。地方によってはタマゴなどを食用にするらしいが……。 |