霞ヶ浦町水族館

訪問日:19990206

きれい、ではある。
水族館外観。
中の写真は撮りそこねました。ごめん。

ちいさい、遠い、でも正しい


 茨城県の霞ヶ浦湖畔にちいさな水族館がある……というハナシなので、行ってみることにした。情報ではJRの土浦駅からバスが出ていることになっているのだが、駅に着いてから調べてもどうもよくわからない。仕方がないのでタクシー乗り場に行き、運転手に行き先を告げた。しかし、その場にいた運転手の誰も「霞ヶ浦町水族館」なるものがあることを知らない。無線で問い合わせてもらった結果わかったのは「町坂の公園にそれっぽいモノがある」という頼りない情報のみ。ワタシは激しく不安になったが、ここまで来て引き返すのもナニなので、とにかくその公園まで連れていってもらうことにした。
 田んぼの中のとてつもない悪路を爆走することしばし。タクシーはようやく目的地の公園に着いた。降りてみると、小ぎれいな(しかし閑散とした)公園の奥に確かに水族館はあった。しかし……本当にちいさい。
 入場料310円を払って、とりあえず中へ。広さは小学校の図書室くらいである。しかしその限られたスペースの中に、ピラルクなどの大型熱帯魚あり、地元の生物あり、オウムガイなどの珍奇モノあり、タッチングプールあり……と、なかなかバラエティに富んだ展示が盛り込まれている。
 興味深かったのは、水槽に付された説明がいちいち熱いこと。地元に住みついた外来種の魚を展示するコーナーでは「魚を無差別に放流するような飼い主に魚を飼育する資格はない」と書いてあるし、同じく近所で捕獲されたワニガメ(ワニのような頭部とイガイガの甲羅をもつカメ。もちろん日本のものではない)の水槽にも「飼ってみたら意外とつまらないので捨てたのだろうが言語道断である」といった意味のイキドオリが表明されていた。
 たどり着くまでは大変だったが、なかなか良心的な水族館という印象である。ああ苦労して来た甲斐があった。ワタシはさわやかな思いを胸に、施設を後にした。
 ところが帰りのバスの到着時刻を見てみれば、これが4時間後。もちろんタクシーなど拾えるはずもない。仕方がないのでワタシは、駐車場の中にある売店兼食堂に陣取り、そこで売っていたつくだ煮をサカナにビールを飲んで時間を過ごしたのであった。いや、これはこれでオツなもんでありましたよ。


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