![]() 施設外観 ![]() 通りぬけできる大水槽 ![]() バックヤードの配管 |
おべんと持って大水槽を見に行こう本日の行脚先はマリンピア日本海。男・日本海ではない。あたりまえだ。新潟にある北陸随一、いやわが国全体でも屈指の充実度を誇る大水族館である。 入口からゆるやかなスロープを降りてゆくと、大きな水槽ごしに館が見渡せる。この水槽は日本海の魚を擁する800トンの大水槽で、その全容を離れた場所から鑑賞することもできれば、中心を貫通するトンネルを通りぬけて見ることも可能。ひとつの水槽をいろんな角度から見せるという演出は、なかなか巧みである。 館内にはザラビクニンという白い幽霊みたいな魚の稚魚(コンマ「,」みたいなカタチ)や、甲羅の大きさが40センチはあろうかというデカいマタマタ(矢印みたいなカタチの頭をしたヘンなカメ)、メキシコ湾流に棲む大型魚ターポンなど、珍なる展示が多数あって楽しい。また、ラッコやビーバー、アザラシにトドといった海獣も充実。もちろんイルカショーもちゃんとある。 この水族館の素晴らしいところは、展示している生物に対する解説が非常にていねいだという点。名前、生息地、生態などの基礎情報はもちろん、そこここに「飼育の舞台裏」と題されたエッセイが貼ってある。これが、けっこう面白くて読ませる。「飼育の舞台裏」はチラシの形でも館内に置いてあるので、おみやげに持って帰るとよいだろう。 あと興味を引いたのが、1日2回やっているバックヤード(裏方)見学。ええ、申し込みましたとも。でも平日だからか、集まったのはワタシひとり。受付で所在なげに待っていると、やがてボサボサ頭のマッドサイエンティストみたいなおじさんがやってきた。このおじさんに、マンツーマンで濾過室やエサ調理場、大水槽の上部などを案内してもらう。 話を聞いていると、どうもおじさんはこの水族館の館長であるらしい。おじさんの話では、将来的には日本海にやってくるサケの回遊槽をこの施設に作りたいとのこと。現在の大水槽は、そのための布石に過ぎないという。サケの回遊槽とは、まったく壮大な計画をぶち上げたものだ。で、それはいつ完成するんですかと聞いたら「ここんとこ財政難だからねえ、ワタシが在職してるうちにできるかどうか。次の世代になるかもしれない」とのこと。遠大なハナシだが、ぜひ実現させてほしいものだ。 水族館設備が充実しているのはもちろん、ホールとか広場とかいった空間にも余裕を持たせてあり、市民の憩いの場としては最高の施設だと思う。もしワタシがこのあたりに住んでいたなら、晴れた日には弁当を持ってここへ通うだろう。 |