登別マリンパークニクス

訪問日:19990214

過剰にファンシー。
これがラブホ城。
エビもゴージャス
ちょっと見にくいがフリソデエビ(右が頭)
唯我独尊
場内を闊歩するペンギン

ゴージャス水族館・ラブホ系


 登別である。温泉クマ牧場の登別。駅でもクマ(剥製)がお出迎えだ。しかし今回のワタシの目的地は、名湯でもクマでもない。
 ここには「登別マリンパークニクス」というテーマパーク型水族館がある。コンセプトはどうやら「デンマーク」らしく、敷地内には北欧の城をかたどったゴージャスな建物がそびえている。しかしどうも、こんなところに突然城が現れるとしっくり来ない。どう見てもラブホテルである。
 若干の晴れがましさを抱きながらも、とにかく中へ入る。入口で出迎えるのは、2階ぶち抜きの円筒水槽(ナポレオンフィッシュ在中)。そこから、まるで美術館の絵画のように配置された水槽群が広がる。もったいないほどに空間をたっぷりと取ったレイアウトは、それなりに垢抜けた印象を与えるものだ。ちょっとしゃらくさいけどな。
 この水族館は実はエビ類が充実していて、特にフリソデエビという実に美しいエビの群れ(この水族館が全国ではじめて繁殖に成功したらしい)が壮観。ただし水槽の下におびただしい量の抜け殻がたまってたりするのだが。
 本館(つまりラブホ城)の外にはイルカ、アシカといったショー要員の施設もあり、サービスは充実している。なかでもペンギンが敷地内を練り歩く「ペンギンパレード」はこの施設のウリである。ペンギンのあとを子供たちがゾロゾロついてって、まるでハーメルンの笛吹き状態。ワタシはペンギンたちが場内を一周して飼育棟に戻っていくとき、子供たちもさりげなくいっしょに収納されたりしないかと不安になった。
 外観のラブホくささを受容できれば、なかなかによくできた水族館である。特にファミリーやカップルにとっては、まる一日をこの場所で過ごせる充実した施設であろう。
 しかしワタシは、場内をひととおり見回ると静かにラブホ城に別れを告げ、温泉にもクマ牧場にも行かずに次の水族館へと向かうのであった。かっこいいですね。よくないですか。


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