佐渡 羽茂まつり「つぶろさし」(その2)
報告者:藤井 浩
採集日:20010615
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草刈神社

菅原神社から川沿いに1キロメートルほど歩くと、つぶろさしのもうひとつの舞台となる草刈神社が見えてくる。こちらでは菅原神社よりやや時間を遅らせて奉納が始まることになっている。
草刈神社の境内には能舞台もあり、夜はここで薪能も行われるという。また、よく見ると隅のほうに子宝祈願のご神体もさりげなく安置されており、参拝する者の心をなごませる。
ひっそりと佇むご神体

11時の花火が上がると、長い石段の上にある本殿へ5人の神官たちがそろそろと登ってゆく。荘厳な雅楽の音がひとしきり本殿から聞こえてくるが、ふもとのギャラリーの関心はやはり社務所で待機している「つぶろさし」メンバーに注がれているのだった。
やがて雅楽の音がやみ、いよいよ踊り手たちが動き出す。こちらの編成は菅原神社とは少し違い、銭太鼓と獅子の姿がない。そのかわり、2体の鬼による鬼舞がセットになっている。
まずは鬼舞からスタート

菅原神社以上のでかちんを背負って登場

ピシッとポーズを決めるつぶろさし

ササラスリとの悦楽の交歓


そしてアクメの瞬間

おわったらちゃんとあとしまつ。

こちらはつぶろさしとササラスリの一対一のタイマン勝負であったが、踊りの技巧を見ると菅原神社よりこちらの方に分があるように思えた。おそらく、こちらの演者は熟練した人なのだろう。張り形をゆするユーモラスな動き、見得の切り方、そしてササラスリの内股でなよなよした女性的しぐさ、いずれも見事であった。
こちらの踊り手たちも、奉納を終えると町を周りはじめる。町では地元有志による太鼓や舞も繰り広げられ、羽茂の祭りは夜まで続けられるのであった。
島の豊饒を願って500年あまりも伝えられてきたという「つぶろさし」。この地もご多分に漏れず若者の人口が減ってきていると聞くが、いつまでもこのおおらかな行事を残していってほしいものである。
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