勝手邦題

年末年始特別企画

勝手名画座


 「二流館」などと言われながらも、映画ファンのニーズを底辺で支えてきた名画座たち。その醍醐味は、やはり趣向を凝らした独自の2本立て、3本立てであろう。主宰は以前、今は亡き京都の名画座「京一会館」で、「ビデオドローム」「バスケットケース」「ファンタスティック・プラネット」という気の狂ったような3本立てを観た。また、別の映画館では「プロジェクトA」と「遊星からの物体X」を同時上映していた。どうやら「タイトル末尾がアルファベット」という組み合わせらしい。
 だがこの名画座文化も、映画斜陽の世にあって風前の灯となりつつある。そこで同志諸君には、自分が名画座の館長になったつもりで、オリジナルのプログラムを開発していただきたい。

結果発表

大賞

  • 「地上最強のカラテ」「タイタニック」「十戒」「アルマゲドン」
    →割れモノ大会・真っ二つ映画大集合
    fromなかむら ひでき

  • 佳作

  • 「スーパーマリオ」「ストリートファイター」「モータルコンバット」
    →コントローラー貸せ!俺が操作する映画祭
    fromまさひろ

  • 「男はつらいよ」「続男はつらいよ」・・・(中略)・・・「男はつらいよ寅次郎紅の花」
    →見る方もつらいよ これぞホントの寅さん祭り−「男はつらいよ」シリーズ全48作完全上映−
    fromJFカサイ「JFカサイのホームページ」主宰)

  • 「生きる」「生きない」「生きたい」
    →人生三段活用
    from えむたか

  • 主宰賞

  • 「ゴジラ(54年版)」「ゴジラ(84年版)」「ゴジラ(98年版)」
    →敗者抹殺3 Way Dance
    fromBAZIL「Club Build-Gamo」主宰)

  • 「リトル・ショップ・オブ・ホラーズ」「マラソンマン」「エバースマイル・ニュージャージー」
    →虫歯をなくそう〜特集:戦う歯医者さん〜 日本歯科学会非推薦
    from のう・かんぷ

  • 功労賞

  • 「プロジェクトA」「B面の夏」「レッスンC」「吸血鬼ハンターD」「Eカップ満乳」「F」「ウルトラマンG ゴーデスの逆襲」「H経験」「曖・昧・ME」「仮面ライダーJ」「K−9 友情に輝く星 」「エスケープ from L.A.」「ダイヤルMを廻せ!」「ジェイソン N.Y.に行く」「O嬢の物語」「大災難 P.T.A.」「バンデットQ」「ブレイン・デッド/脳外科医R」「釣りバカ日誌S」「T2」「Uボート」「V.マドンナ大戦争」「Wの悲劇」「スパルタンX」「ウィーン物語/ジェミニYとS」「マジンガーZ対デビルマン」
    →ABCは知ってても、それだけ〜じゃ困ります
    fromやんべ「TIME TRAVELERs〜時をかけた少女たち〜」主宰)

  • 「マウスハント」「カウガールブルース」「男はつらいよ」「バッグスバニー」「ドラゴンへの道」「アナコンダ」「モンタナの風に吹かれて」「羊たちの沈黙」「12モンキーズ」「鳥」「ドン松五郎の生活」「ダイヤルM」
    →十二支映画特集、にしようと思ったら、最後「ボタン」と「ダイヤル」を間違えちゃったみたい
    from トライ0083

  • 中華JUNE「さらば我が愛 覇王別妃」「ブエノスアイレス」
    ブリテンJUNE「アナザー・カントリー」「モーリス」「ヴェルヴェット・ゴウル ドマイン」
    イタリアンJUNE「エルネスト」「ルードビッヒ」
    メリケンJUNE「ディア・ハンター」「フェーム」「バーディ」
    →新春オコゲ祭り
    from のら猫の手


  • 全エントリー作品一覧
    全投票結果


    選評

     3度目を迎えた「勝手邦題」特別企画。今回はちょっと変化球的なお題で、当初は企画意図がうまく伝わるかが危惧されたが、優秀な作品が続々と寄せられ主宰として幸甚の至りである。
     アンケートにおいて最大得票を獲得した大賞「地上最強のカラテ」「タイタニック」「十戒」「アルマゲドン」→割れモノ大会・真っ二つ映画大集合は、超大作3作に世界のキョクシンをねじ込んだ強引さが素晴らしい。実際にこのプログラムで上映会を開いたら、見終わった観客は大海も巨大客船も小惑星もすべてマス大山が割ったような気になるだろう。
     佳作「スーパーマリオ」「ストリートファイター」「モータルコンバット」→コントローラー貸せ!俺が操作する映画祭は、ゲームを映画化することの困難さを端的に示した作品。本当にコントローラーついてたらよかったのに。「男はつらいよ」「続男はつらいよ」・・・(中略)・・・「男はつらいよ寅次郎紅の花」→見る方もつらいよ これぞホントの寅さん祭り−「男はつらいよ」シリーズ全48作完全上映−は、実現したらきっと観に来る人いるんだろうなという恐ろしい想像を喚起させる。「生きる」「生きない」「生きたい」→人生三段活用は、本当にどこかでやりそうな好企画。でも観る順番によって帰る時の気分が変わりそうではある。
     主宰が独断で選ぶ主宰賞には、「ゴジラ(54年版)」「ゴジラ(84年版)」「ゴジラ(98年版)」→敗者抹殺3 Way Danceと、「リトル・ショップ・オブ・ホラーズ」「マラソンマン」「エバースマイル・ニュージャージー」→虫歯をなくそう〜特集:戦う歯医者さん〜 日本歯科学会非推薦の2編を。前者の「投票で最低作に選ばれたものはネガごと焼却」というのは本当にやってほしい。っちゅうか、後ろのふたつは両方とも焼いていいと思う。後者は、一見共通点のなさそうな3作が「歯医者」という一点でまとまるのが見事である。
     さて、この他にも素晴らしい作品は数多く、賞の選定は大いに苦慮するところであった。できればすべての作品に賞を差し上げたいところだが、ここでは特に「よくこんなに集めたなあ」とあきれ……もとい感心した3作品を「功労賞」として表したいと思う。特にJUNEモノ大集合には、鬼気迫るほどのリビドーが感じられた。(主宰・藤井 浩)


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