下関水族館 海響館

訪問日:20030508
レポート作成:20030530

あーおちつく
砂にもぐってくつろぐトラフグ(推定2匹で50000円)
小松方正似。
よく見るとキュートなハコフグの仲間
こどもはあんまりせかさんといて
いつもなかよしマルとタル

新生・下関水族館もやっぱりふぐパラダイス


 下関水族館といえば、あまたある日本の水族館の中でも特に古株として知られる、まあ言ってしまえばかなりうらぶれた施設だった。マニアにはそこがたまらなかったわけだが、このあいだ全面的にリニューアルし、「海響館」というまったく新しい水族館に生まれ変わった。
 エントランスから動くスロープで薄暗いトンネルを抜けると、関門海峡をモチーフとした大水槽がお出迎え。同じ水槽をさまざまな角度から見せたり、一部をトンネルにしたりと、いかにも新しい水族館という演出がなされている。
 だが、旧館と変わらないのは、メイン展示物が「ふぐ」だということだ。
 さすがふくの町・下関。トラフグは稚魚、幼魚、成魚にわけて大々的に展示されている。卸値25000円超(推定)の形のいいトラフグが何匹も泳ぐさまは壮観である。
 ほかにも国内外のさまざまなフグ類を展示、その種類と数の多さはやはり特筆に価する。そしてこれはこの施設でのはじめての発見なのだが、ふぐというのはどいつもこいつもほんとうにかわいいのだ。口を半開きにした「ぽー」という感じの表情で、胸びれをぴろぴろ動かしながらたゆたったり、あるいは水底の砂にからだをうずめて休んでたりする(そういう習性があるらしい)。キュートだ。癒される。くらげの次はふぐが来るのではないか。ワタシはなぜかそう確信した。
 フグ類以外にも定番の熱帯魚や仲の良いゴマフアザラシ「マル」と「タル」、来館時には名前募集中だったスナメリ、芸達者なイルカとアシカ、やっぱり何考えてんだかよくわからないペンギンと、見ごたえ充分な内容。旧館の「鯨館」にあった巨大なクジラの骨格標本も、ちゃんと出口フロアに鎮座していた。
「ふぐ」という他にない目玉を備えつつ、全体的に過不足なくまとまったいい水族館である。だがそのソツのなさに、ふとかつてのタイル張りの薄暗い旧下関水族館のことも懐かしく思い出してしまったりもするのだが。

追記:出口近くのフロアには貝殻などを展示するスペースがあるのだが、なぜかそこに「カエルグッズ」のショーケースがあった。かなり充実したコレクションである。でもなんでカエル。



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